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旧約聖書

ヤコブ苦節の14年とペヌエルでの格闘

アブラハムの子イサクはリベカと結婚し、双子が生まれ、兄がエサウ、弟がヤコブでした。
少年時代に、ヤコブは、エサウから一皿の豆料理と引き替えに長子権を譲り受けました。イサクの臨終に際して、母リベカはひいきにしているヤコブをエサウに扮装させて、祝福を騙し取ったのです。
兄エサウの怒りを避けて、母の実家へ身を寄せようと旅立ったヤコブですが、今回の物語は、ここからスタートします。

ヤコブは伯父のラバンから
「親戚だからといってただ働きする必要はない。何か欲しいものをいいなさい」
と言われました。そこで、ヤコブは、ラバンの美しい娘ラケル、つまり従姉妹にあたりますが、彼女を嫁にくださるなら、7年間ラバンのところで働きます、と言いました。(創世記29章15-18節)

7年たって晴れて結婚式が挙げられ、ヤコブは喜びいさんで花嫁を迎えました。
ところが一夜明けてみてあぜんとしました。
花嫁はラケルではなく、姉のレアだったんです!
ヤコブはびっくりするやら、情けないやらで、あわてて伯父に文句を言いに行きました。すると伯父はすました顔でこう言いました。

「我々のところでは姉より先に妹を嫁にやることはできない習慣に なっとるんだ。ま、ここは堪忍してレアをもらってやってくれ。一週間の婚礼の祝いがすんだら、ラケルのほうもおまえにやろう。ただし、その場合はもう7年間働いてもらわないとな。」

ヤコブは頭にきましたが、やっぱりラケルをあきらめられなかったので、もう7年間働きました。(29章21節ー30節)

ところが、今度は子供のことで厄介な問題が起き始めました。
レアにはじゃんじゃか子供が産まれるのですが、ラケルのほうはさっぱりでした。ラケルは
「わたしにも赤ちゃんを産ませてくれなかったら死ぬ」
とまで言い出し、ヤコブは
「おまえに赤ん坊が産まれないのは、神様がそう決めていらっしゃるからなんだ」
と言い返しました。

ラケルは最後の手段に出ました。
なんと自分の女奴隷をよこして自分の代わりに子種を与えてくれとヤコブに言ってきたのです。
ヤコブはしかたなく言われるとおりにしました。
ところが、レアのほうも自分に子供が産まれなくなると、やはり女奴隷をよこして、代わりに産ませてくれと、言ってきました。
ここまでくるとヤコブも嫌気がさしてきましたが、不公平になるといけないので、レアの言うことも聞きました。
そんなこんなで10人の男の子と1人の女の子が産まれました。
最後にラケルが男の子を2人産み、上の子はヨセフ、下の子はベニヤミンと名づけました。(29章31節ー30章24節)

かれこれ何十年も落ち着いていたヤコブでしたが、財産も貯まり、それが従兄弟たちには気に食わなかったようで、厄介事が起きる前に家族を連れて、故郷の地カナンへ帰ることにしました。

一家を引き連れてカナンに戻ってくる途中、家族と召使たちは日の高いうちにヤボク川を渡りましたが、彼一人、夜の闇の中に取り残されてしまいました。
その時、何者かがヤコブに襲いかかってきました。闇の中なので相手の顔は見えないし、いきなりの奇襲攻撃にヤコブも意地を張っているようでした。ヤコブはひるまず、しぶとく粘りました。

そうこうするうちになんと夜が明けてきました。一晩中闇の中で格闘していたわけなんですが、夜が明けたことを口実に覆面男は去ろうとしました。これは卑怯です。
もちろん、ヤコブは相手を離さず、しがみついています。これもしつこい。
ついに覆面男がヤコブの腿の関節の上にある筋を一撃、どうやら筋が萎縮してしまったようですが、しつこいヤコブは叫びながら、なおもしがみつきます。なんていっているんでしょうか。

「祝福をくれるまで離さない」 と言っているようです(現地リポーター)。

ついに覆面男も妥協した模様です。勝利の栄冠はヤコブに!

覆面男はヤコブを称えて言いました。
「おまえの名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。おまえは神と人と闘って勝ったからだ。」

「そういうあなたの名は?」

「どうしてわたしの名を尋ねるのか。」

おーっと、謎の覆面男は神ご自身であったことが判明しました。

ヤコブは、わたしは顔と顔を合わせて神を見たのに、なお生きていると言って、その場所をペヌエル(神の顔)と名付けました。(32章23節ー31節)


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