トップ お薦めの映画 お薦めの本 心に残る名曲 お問い合わせ ブログ

名作アニメ

ユージンの隠れ家

花咲ける青少年
作者:樹なつみ
出版社:白泉社
全12巻(文庫版:全6巻,愛蔵版:全6巻)

ようこそ、いらっしゃいませ。
さて、少女漫画なんか興味ないよ、読まないよなんて侮っていらっしゃる方も、是非お付き合いいただきたいと思います。
ここでは、頭を休める意味でも、肩肘張らずにリラックスした気持ちで行きましょう。
これまで沢山の漫画に接してきまして、どれを皆様にご紹介しようか大変悩みました。

「花咲ける青少年」を選んだ理由は、個人的な意味も含めて様々ですが、少女漫画にもかかわらず、男性にも十分楽しんで頂ける正統派漫画 ともいえますので、皆様に親しんでいただけるのでは、と思ったからです。
最近までNHKがテレビアニメで放映もしていましたから、内容はしっかりしているんだろう、とご判断されてもかまいません。

このストーリーの中で私が注目する人物は倣立人(ファン・リーレン)。
この物語に接した当初は違う人物に注目していたのですが、最近読み返してみまして、彼の人生観といいますか、ストーリー中の要所での彼の判断、思い に深い共感を持っております。
その場面をご紹介させていただきます。

尚、物語をご存知でない方は、あらすじと人物紹介を一番下に 掲載いたしましたのでそちらを先にご覧になった上で、お読みいただいてもよろしいかと思います。

*

幼い頃から倣の総帥になる為教育され、早すぎるほど総帥の座に着いた立人は 、自らを老熟した企業家に変え、自然擬態していました。
立人はとことんまで追い詰められないと本音一つ吐きません。
そんな立人がホロリと本音を見せる場面、立人の花鹿 ( かじか ) に対する真の思いを覗かせる貴重な場面がこれです。

誘拐されたルマティ殿下を救出に向かった立人は、絶対絶命の危機に陥ります。 残すは敵の”迷い”が最後のチャンス。 ルマティに、貫通銃創の深手を負った立人は今度だけは言うことを聞きなさい、と合 図をしたら海に飛び込むよう指示します。 実はいとこ同士のルマティと花鹿は瓜二つ。 この時立人は気がつきます。 大きく見開いたオリエントブルーの瞳、これがグレーなら・・・ まさに花鹿じゃないか 今までそう思わなかったのが不思議なくらいだ なんて・・・似ているんだ・・・ 私の・・・花鹿に・・・ (第6巻) はい、次はこちらです。 倣の会長職を引くことを決断し、恋敵ユージンからこれから先どうするのかと心配 される立人。 そこでの会話の場面。 「君に将来のことを心配されるとは思わなかったな 根っからの貴族の君に」 「そうぼくは貴族、働かず日々、遊び暮らすこと紳士の条件。 ・・・省略・・・ ぼくは一生金のために働こうとは思わないだろう だが、きみは違うだろう。金を稼ぎ、働くことが美徳の人種 いつまでぼくのようにしていられるかな」 「私は働きたくて働いていたんじゃない 生まれた時からそんな風に決められていただけさ 本音を言えば重かったよ 責任がひどくね 私は実は不器用な人間だからね どうしても両立できないことだった 倣を守ることと、花鹿を守ること 私は君がうらやましかった 誰にはばかることなく 人を愛せる 私はその立場を得るのに 21年かかってしまった」(第11巻) はい、最後はこれです。 立人がいかに有能であったか、 倣を捨てることがいかに大変な決断だったかが、仇敵である伯父とのやりとりから 分かるのですがそれがこちらの場面です。 「わからん・・・! おまえも、おまえの父親も終にわしにはわからん!」 「父ですか・・・」 「長兄のわしをさしおいて 総帥の座についたおまえの父親も浮世ばなれした奴だった 必死という顔をついぞ見たことがない 奴は事業で遊んでいたとしかわしには見えんかった そこがまた腹に据えかねて、わしは色々ジャマしてやったものだ だが、あいつは涼しい顔をしたままさっさと42の若さで死んだ そこへ出てきたのが お前だ! お前はあいつよりさらにあほうだ!! 奴の半分の若さで総帥の座を捨てようとしている!! 誰もが手にしたがる倣の総帥の座を・・・・!! その若さで、これほどの能力をもちながら・・・・!! 」 「伯父さんに惜しんで頂けるなら、本望ですよ」 「フンッ 誰が惜しんだっ お前のような奴、どこへでも行って野垂れ死にするがいいわいっ」(第12巻)

それでは、個人的な見解はこの位にして、花咲ける青少年 スタートです。

立人様ベストショット
ページトップへ
Copyright©Sena's Room
inserted by FC2 system